【Git】コミットログ の プレフィックス ルール

Git

■ 概要

バージョン管理システムとして広く使用されているGitは、ソフトウェア開発において欠かせないツールです。
多くの人々が Gitを使いながらプロジェクトを進めていることでしょう。
しかし、コミットメッセージを書く際に、何も考えずに内容をそのまま書き込んでしまっている方はいませんか?

コミットログは将来的にプロジェクトを追跡したり、変更点を理解したりする際に重要な情報源となります。
しかし、ただのメッセージだけでは後から見返す際に理解しにくく、時間の浪費にも繋がるかもしれません。
そこで、私はコミットログを見やすく整理するために「プレフィックス」を活用することを提案します。

プレフィックスはコミットメッセージの先頭に付ける短いキーワードや識別子です。
これにより、コミットの種類や関連するカテゴリを一目で把握できるようになります。
例えば、機能追加、バグ修正、ドキュメント更新など、異なる種類の変更を素早く見分けることができます。

本記事では、Gitコミットログのプレフィックスの重要性について詳しく解説し、効果的なプレフィックスの使い方や一般的なプレフィックスのパターンを紹介します。
さらに、チーム全体で統一されたプレフィックスのルールを作成する方法や、プレフィックスを活用することで得られるメリットについても探っていきます。

それでは、コミットログのプレフィックスを付けて見やすく整理する方法について、詳しく見ていきましょう。


■ コミットログの書き方

コミットログは、ソフトウェア開発において変更履歴を記録する重要な要素です。
しかし、単に変更内容をメッセージとして書き込むだけでは、後から見返した際に理解しにくくなることがあります。
そこで、コミットログの 1行目には概要を記載し、2行目には空行を入れ、3行目に詳細な情報を記述するというフォーマットが一般的に使われます。
なぜこのような形式が推奨されるのか、その理由と意図を解説します。

1行目:概要

1行目には、変更内容の概要を短く簡潔に記述します。
この概要は、コミットメッセージの要約として機能し、他の開発者や自分自身が後からコミットを追跡したり、プロジェクトの変更履歴を確認したりする際に役立ちます。
具体的な変更の種類や目的、修正したバグや追加された機能の概要などを短くまとめます。

2行目:空行

2行目には、コミットログの 1行目と詳細な情報を区切るための空行を入れます。
この空行により、視覚的にコミットログが分かれていることがわかります。
空行の存在によって、読みやすさと整理性が向上し、コミットログの構造が明確になります。

3行目:詳細

3行目には、コミットの詳細な情報や変更の理由、関連するチケット番号、参考情報などを詳細に記述します。
この詳細な情報は、コミットの背景や目的をより具体的に説明する役割を果たします。
他の開発者や将来の自分自身がコミットの意図や変更内容を正確に把握することができるため、プロジェクトの可読性やメンテナンス性が向上します。

例えば、バグ修正の場合には、バグの具体的な症状や修正方法、関連するテスト結果などを詳細に記述します。機能追加の場合には、新たに追加された機能の詳細や設計思想、関連する要件などを記述します。
これにより、後から変更の意図や経緯を振り返る際に役立ちます。

コミットログの詳細な情報を記述することは、プロジェクトの透明性やコラボレーションを促進する上で重要です。
しっかりとした説明を行うことで、開発者間のコミュニケーションやコードの理解が円滑になります。


■ コミットログのプレフィックス

プレフィックス説明
add新しい機能やファイルの追加
fixバグ修正やエラーの修正
update既存の機能やリソースの更新
refactorコードのリファクタリングや構造の改善、パフォーマンスの最適化
remove(delete)コードやファイルの削除
moveファイルやディレクトリの移動またはリネーム
revert以前のコミットの取り消し
rename名前の変更やリネーム
docsドキュメントの変更や追加
styleコードのスタイルやフォーマットの変更
perfパフォーマンスの改善
chore雑務やビルドプロセスの変更
GitBashから行う場合

IDE(統合開発環境)からコミットログを記載する際は、前述で説明した記載方法で入力することができますが、GitBashなどのプロンプト上からコミットログを記載する際、改行をすることができません。
なぜなら、「Enter」を押下すると実行してしまうからです。

そんな時は!
下記の記述方法で入力してください。
そうすると、自動的に 2行目が「空行」となるため、本記事のルールに乗っ取ったコミットログを記載することができます。

$ git commit -m "<プレフィックス>: <概要>" -m "<詳細>"
例:新機能に関するクラスファイルを追加した場合のコミットログ
$ git commit -m "add: 新規ファイルを追加" -m "〇〇機能における 〇〇クラスファイル"

■ 最後に

コミットログのプレフィックスを使って、より良いバージョン管理を行いましょう。
適切なプレフィックスを使うことで、コミットログが明瞭で分かりやすくなり、プロジェクトの可読性やメンテナンス性が向上します。

正確なプレフィックスを選択することで、他の開発者や自分自身が後からコミットログを追跡したり、変更履歴を確認したりする際に大いに助けになります。

プレフィックスを使ってコミットログを整理し、変更内容を明確に伝えましょう。
これにより、チーム全体でのコミュニケーションが円滑になり、開発プロセスがスムーズに進行します。
良いバージョン管理は、プロジェクトの品質向上や開発効率の向上に繋がります。

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